Sustainable Investment in Food-System Transition

持続可能で動物にやさしい食の未来への転換を見極め投資を通じて推進する

持続可能な食料システムへ

畜産動物のアニマルウェルフェアは、食品企業や生産者のビジネス、人の健康、労働者の権利や健康と密接に関わり、向上させることは公益性が高いものです。
だからこそ、わたしたちは、アニマルウェルフェアの向上を企業に促します。

アニマルウェルフェア強化を求める理由1

長期的に利益をもたらす

成長チャンス

ケージフリー卵は成長チャンスである

卵の消費量は増えない中、売上を伸ばすためには、これから変化が起きるケージフリー需要を確実に抑えることが必要

ケージ飼育に戻ることはない

世界のケージフリー構成比は有意に上がっており、世界的かつ確定的なトレンドである=ケージ飼育に戻ることはない

ケージフリー卵市場の規模は、2025~2034年の期間を通じて約7.93%のCAGRで拡大

世界のケージフリー卵市場規模は 2025 年に 82 億 6,000 万米ドルと評価され、2025 年から 2034 年にかけて 7.93% の CAGR で成長し、2034 年までに 177 億 2,000 万米ドルに達すると予測されている

競争力をつけられる

アジアでもケージフリー導入が進む中、ケージフリー業者の方が環境訴求・差別化が可能になる

また先行者はノウハウ蓄積で中期的な優位性を得やすい

アニマルウェルフェア強化を求める理由2

財務リスクを減らす効果がある

価格変動のリスクを回避できる

従来の卵は需給により価格が変動し、不安定
一方、ケージフリー卵は、差別化された商品カテゴリーとして価格主導権を確保できるため、収益のボラティリティ低減につながる

飼料価格高騰のダメージを回避

飼料価格の高騰は継続する可能性が高い

ケージフリー卵は飼料価格を加味したフェアな価格付けが可能

一方、相場価格で価格付けの決定権を持たない従来飼育の卵はリスクがより高くなる

技術更新で長期リスクを回避

畜産技術は進化している。世界で主流になりつつあるアニマルウェルフェア畜産に対応する力と意思がない企業は長期的財務リスクが高いと考えられる
(ケージフリーやストールフリー、その他放牧や卵内雌雄鑑別、エンリッチメント導入など)

鳥インフルエンザの脅威

国内では採卵鶏の鳥インフルエンザ発生はケージ飼育に偏っている
【2021年度は採卵鶏では平飼い飼育での発生は無かった】

高病原性鳥インフルエンザ発生状況の解析について 国⽴研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

取引を失うリスクを回避

国内食品企業はケージフリーのためのネガティブキャンペーンの対象になる可能性があり(すでに2社対象になった)、ケージフリーは食品企業にとって必須の動きになりつつある。
このニーズに対応できなければ取引きを失うリスクがある。ケージフリーへの移行を行う外資系企業との取引を失った国内養鶏場もすでにある。

アニマルウェルフェア強化が必要な理由3

ケージフリーは持続可能性を重視する投資家にとって必須要件

健康な鶏

ケージフリーの飼育は鶏の健康に寄与することができる

ケージフリーだと腸内細菌叢が多様になり、免疫を上げる効果があり、鶏の健康に寄与する https://doi.org/10.3390/ani9121085

飼料価格高騰のダメージを回避

投資において持続可能性の優先度が上がっている
(AAM Investment Group、Triodos Investment Management、US Vegan Climate ETF、Pella Funds Management、Rathbone Greenbankなど)
FAIRRに加盟する機関投資家の合計資産残高は80兆ドルにも及ぶ

ケージシステムへの投資はない

IFC(世界銀行グループ)
2023年の「Good Practice Note」で“non-enriched battery cages バタリーケージを認めない”と明示。IFCの資金を受ける畜産案件は適用対象

Standard Chartered、Bank Australia、The Co-operative Bankなどがケージ飼育や集約的畜産機器への投資を拒否

アニマルウェルフェア強化が必要な理由4

国内でもアニマルウェルフェアへの価値が健在化し始めている

訴求すれば売上につながる

日本を対象にした調査で、レストランで動物福祉対応商品を扱った際の消費者反応や付加価値を調べた結果、商品のアニマルウェルフェアの経歴情報を提供すると、商品選択率・購買意欲が高まり、顧客ロイヤルティ向上・売上改善につながった
https://arxiv.org/abs/2501.10680

売上は上昇傾向

国内でも小売店におけるケージフリー卵の売上は上昇傾向が継続しており、国内もケージフリーに向かっていることは間違いない

平飼い卵を設置してあるスーパー
2015年 22%
2019年 51%
2025年 おおよそ90%超える設置率

大手ホテルチェーン各社、イオン、キユーピー、トリドールHD、ブルボンなどケージフリー卵への切り替えを始めた食品に関連する企業が多数。

ケージで評価向上

企業の「ケージフリー卵採用」などのCSR・動物福祉方針は、企業がその政策を宣言した翌年以降にブランド評価・株主評価との相関が見られる。
日本でも「良い印象を持った」回答は約68%

https://rethinkpriorities.org/wp-content/uploads/2024/10/CSR.pdf

高い付加価値

日本総合研究所によると国内のアニマルウェルフェア付加価値総額 5,735億円

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=110174

市場への期待

国内の平飼い羽数はたったの1.48%であるにも関わらず、エシカル市場規模調査(2024 渡辺龍也他)によると、 平飼い卵市場は 260億円

現実的な価格差

採卵鶏の飼養方法別行動量と消費者への情報提供による 購買意欲変化に関する研究 麻布大学獣医学部動物応用科学科・教授 大木 茂 によると 許容可能なケージに対する平飼い卵の価格差は、ケージ卵購入者で 94〜184 円/10個追加

https://www.nakashima-foundation.org/kieikai/pdf/32/2020T018.pdf

生産者の事例紹介

ケージフリー卵が企業価値を向上させた事例

Driving the transition toward a sustainable and humane food system.
 持続可能で動物にやさしい食の未来への転換を見極め推進する

私たちについて

2025年12月、持続可能な食料サプライチェーンを実現し、アニマルウェルフェアアを向上させるためのイニシアチブを日本で設立。国内の企業、金融、投資家、その他ステークホルダーと協業します。

ダイアログ

投資家との対話を行い、アニマルウェルフェアや持続可能な食料システムへの転換についての情報提供を行います。

株主提案

持続可能な畜産物の生産、調達への変革を求め、

次なる一手を考える

Build a strong and recognizable brand identity that resonates with your customers.

磐井 朔

磐井 朔

発起人 Initiator

投資歴約20年の個人投資家。ESGと非財務情報に着目し、主に食品、外食、流通、医療、介護分野に長期投資。日本獣医生命科学大博士前期課程修了(応用生命科学専攻)。食品会社在籍時は環境対策などに従事。

北穂 さゆり

発起人 Initiator

広告出版業の経歴を公害被害者救済活動に活かし、本や映像制作に携わった後、動物保護活動へ。現在は認定NPO法人アニマルライツセンター勤務。シニアコンサルタントとして、企業交渉を中心に担当。社会を変えるには投資家の行動変容も不可欠と考え、このグループに参加。

岡田 千尋

発起人 Initiator

2001年から動物の問題に従事、現在は畜産動物のアニマルウェルフェア向上と代替タンパク質への転換にむけた企業、政治家、市民へのアプローチを行う。
認定NPO法人アニマルライツセンター代表理事、日本エシカル推進協議会副会長